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メッセージ >
聖書の学び
Title
第52課 「主の幻と定めの時」
Speaker
堂会長 イ・ジェロク 牧師
Bible
Date
2009-12-25
読むみことば: ハバクク2:2-4
覚えるみことば: ハバクク2:3
参考にするみことば: マタイ24章、アモス3:7
教育内容
神が定められたさばきの時が必ず来るということを心に刻み、終わりの時、いつも目を覚ましているクリスチャンになる。
神はすべての人が救われることを望んでおられます。<ローマ1:20>に「神の、目に見えない本性、すなわち神の永遠の力と神性は、世界の創造された時からこのかた、被造物によって知られ、はっきりと認められるのであって、彼らに弁解の余地はないのです。」とあるように、天地万物を通しても神が生きておられることがわかります。ひょっとしてでも「目に見えない神様をどうやって信じられるんですか? 神様が目に見えないから信じませんでした」と言い訳できないように、神は創造された宇宙万物をつかさどっておられます。このような創造主の神の力と神性によって、預言者ハバククが預言しました。
1. 預言者ハバククが預言した宣告
ハバククはB.C.600年を前後に活動した南ユダ王国の預言者です。エレミヤと同時代の人でしたが、彼より前の時代に活動したイザヤの影響のほうを多く受けました。南ユダ王国は、ヨシヤ王の時代が終わってエホアハズ王を経て、エホヤキムの統治時代になると、不義と流血がはびこります。ハバククは助けを求めて叫びましたが、その内容が<ハバクク1:2-4>にあります。
神は南ユダのすべてのものをご覧になっておられ、実際、すべてが神の摂理と統治の下にあります。それで、南ユダの罪と悪を見て叫んでいるハバククに、世界史の現場を見るように導かれます。そして、さばくために、今後、カルデヤ人を起こすことを知らせてくださいます(ハバクク1:5-11)。カルデヤ人とはバビロンの人々のことです。当時、バビロンの人々は強暴で、領土の拡張に血眼になっていました。結局、ハバククの預言のとおり、B.C.600年頃、バビロンがユダを侵略して、多くの人を捕虜として連れて行き、B.C.586年にはついにユダを滅ぼします。神がバビロンを用いてユダをさばかれると言われた預言が成就されたのです。
ハバククは神のなさったことに驚きを禁じ得ませんでした。なぜなら、バビロンの罪と悪と暴虐が神の選民ユダとは比べられないほど大きかったからです。ハバククはなぜ神がバビロンを先にさばかれず、南ユダをさばく道具として彼らを用いられるのかを訴えました。これについての神の答えが幻として与えられ、ハバククが書き記した内容が本文です。時になると悪者は必ず滅びることと、正しい人はその信仰によって生きるということです。
2. この幻は、なお、定めの時のためである。それは終わりについて告げ、
神は、善であれ悪であれ、すべての隠れたことについて、すべてのわざをさばかれる方です(伝道者12:14)。<箴言24:16>にも「正しい者は七たび倒れても、また起き上がるからだ。悪者はつまずいて滅びる。」とあります。「正しい人はその信仰によって生きる」というみことばは敬虔な信仰に対する祝福で、マルチン・ルターが起こした16世紀宗教改革の基本信条として、標語のように使われてきました。
信仰とは、へりくだって悔い改めて、すべてを神にゆだねることなので、どんな苦しい状況に置かれていても、信仰も持っている正しい人は神の力によって救われるということです。しかし、罪を犯せば、神と遠ざかるのであり、神との関係が断ち切られるのです。罪と悪がはびこると、神のさばきが下ります。私たちは、このような定めの時のための幻は終わりについて告げていることを悟らなければなりません。「この幻は、なお、定めの時のためである。それは終わりについて告げ、まやかしを言ってはいない。もしおそくなっても、それを待て。それは必ず来る。遅れることはない。」(ハバクク2:3)とあるとおりです。
神はハバククに「幻を書きしるせ。これを読む者が急使として走るために、板の上にはっきり書きしるせ。」(ハバクク2:2)と命じられました。「これを読む者が急使として走るために」とあるので、どれほど緊迫した状況なのかわかります。
ソドムとゴモラを滅ぼす時もそうでした。夜が明けるころ、御使いたちはロトを促しました。しかし、彼はためらっていました。すると、その人たちは彼の手と彼の妻の手と、ふたりの娘の手をつかみ、彼らを外のほうに連れ出しました。そして「いのちがけで逃げなさい。うしろを振り返ってはいけない。この低地のどこででも立ち止まってはならない。山に逃げなさい。さもないと滅ぼされてしまう。」と言いました。あまりにも促すと、ロトは身を避けるところに着く前に、災いに遭って死ぬかもしれないと恐れました。それで「ツォアル 」という町に逃げさせてくださいと御使いに言いました。結局、太陽が地上に上ったころ、ロトはツォアルに着き、そのとき、主はソドムとゴモラの上に、硫黄の火を天の【主】のところから降らせました。このように、ソドムとゴモラのさばきも、定めの時になると急速に進められました。しかし、「正しい人はその信仰によって生きる」とあるとおり、無節操な者たちの好色なふるまいによって悩まされていたロトと彼の家族は神が御使いを遣わして救い出されました。
3. それは必ず来る。遅れることはない。
神は悪がはびこるたびにさばかれます。そして、そのさばきを告げる時が定められています。ところが、今の世代はどうでしょうか? 悪がはびこっていて、世のどこでも正しい人が見つけにくいのです。つまり、天地万物を創造された神が、そのすべてをさばかれる終わりの時になっていることを悟らなければなりません。
聖書には、終わりの時の前兆があちこちに記されています。<マタイ24:12-14>に「不法がはびこるので、多くの人たちの愛は冷たくなります。…この御国の福音は全世界に宣べ伝えられて、すべての国民にあかしされ、それから、終わりの日が来ます。」とあります。<マタイ24:32-34>には「いちじくの木から、たとえを学びなさい。枝が柔らかになって、葉が出て来ると、夏の近いことがわかります。…そのように、これらのことのすべてを見たら、あなたがたは、人の子が戸口まで近づいていると知りなさい。…これらのことが全部起こってしまうまでは、この時代は過ぎ去りません。」とあり、いちじくの木のたとえがあります。ここで「いちじくの木の枝が柔らかになって、葉が出て来る」とは、イスラエルの独立を指しています。A.D.70年に、ローマのティトス将軍によってエルサレムが陥落し、イスラエルが滅んで民は東西南北にちりぢりになりました。ところが、イスラエルが独立するのを見たなら、主が近づいている、すなわち、戸口の前に近づいているのを知りなさいと言われたのです。枝が柔らかになって、葉が出て来た時代、すなわち、イスラエルが独立したその時代が過ぎ去る前に、これらのことが全部起こってしまうというのです。
それでは、終わりの時が近づいていることを信じる神の子どもは、どのように生きればよいでしょうか? 「正しい人はその信仰によって生きる」と言われたので、ただ信仰によって生きなければなりません。つまり、さばきの時が遅れることなくやって来ることを知って、機会を十分に生かして用いるのはもちろん、やみのわざ、すなわち、真理に逆らうこと、罪を打ち捨てて、光の武具である神のみことばのとおり生きなければなりません。もし、信仰によって生きないで、世を振り返れば、ロトの妻のように滅ぼされることもあります。
「信仰によって生きる」とは、<第一ペテロ4:7-8>にあるように、祈りのために、心を整え身を慎むことであり、何よりもまず、互いに熱心に愛し合うことです。<ヘブル10:24-25>には「また、互いに勧め合って、愛と善行を促すように注意し合おうではありませんか。 ある人々のように、いっしょに集まることをやめたりしないで、かえって励まし合い、かの日が近づいているのを見て、ますますそうしようではありませんか。」とあります。
神は預言をハバククにだけ下さったのではありません。<アモス3:7>に「まことに、神である主は、そのはかりごとを、ご自分のしもべ、預言者たちに示さないでは、何事もなさらない。」とあるとおり、今日、私たちにも与えておられます。したがって、私たちは正直に、正しい人として信仰を守って生きなければなりません。世の悪に染まらないで、目を覚ましていて善を行なうことによって、主がさばかれる時に救われなければなりません。
間もなく主が雲に乗って私たちを連れに再び来られるなら、どれほどうれしくて幸せでしょうか。花婿である主と七年婚宴をして、地上再臨する主とともに千年間王となり、涙、悲しみ、苦しみ、死、別れのない美しい天国で、永遠のいのちと幸いを味わうでしょう。したがって、イエス・キリストを信じる神の子どもなら、決して現実を見てつらく思ったり、気を落としたりしてはなりません。ただ神のみこころに従って、いつも喜んでいて、絶えず祈り、すべてのことに感謝するなら、愛そのものである神がすべての祈りと求めにすみやかに答えてくださいます。このように神が盾ととりでになって守ってくだされば、悪い敵である悪魔・サタンが働けないだけでなく、神の大いなる愛と祝福をいただき、いつも神に栄光を帰しながら生きることができます。
* まとめと適用
1. <ハバクク2:3>をみんなで覚えてみましょう。
2. 神は祖国の悪を見て悲しむ預言者ハバククに、どこの国を用いてさばくと知らされたでしょうか?
3. 皆さんは正直な人が愚か者として扱われ、むしろ上手に立ち回る人がとても祝福されているように感じたことはないでしょうか? あるいは神の愛と公義を疑ったことがあるなら、徹底的に悔い改めて、心を一つにして、イエス・キリストを遣わされた神の愛に感謝する祈りをしましょう。
* 知って力にしましょう!
「バビロン」
メソポタミア地方にあった都市国家の一つで、今のイラクに当たる。この民族はアッシリヤ人、バビロン人、カルデヤ人という名前で聖書に出てくる。B.C.745年頃からはアッシリヤ帝国が強大になり、B.C.722年に北イスラエルを滅ぼす。その後、カルデヤ人がアッシリヤを掌握して、新バビロニア王国(カルデヤ)を建てる。B.C.586年には、南ユダがカルデヤ人によって滅ぼされ、ユダヤ人はバビロンに強制移住させられる。この時の王がネブカデネザルである。すい星のように現れた新バビロニア王国は、90年も経たないうちにペルシャ王クロスによって滅ぼされる。
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