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メッセージ >
聖書の学び
Title
第5課「あわれみ深い者は幸いです」
Speaker
堂会長 イ・ジェロク 牧師
Bible
Date
2012-11-30
読むみことば: マタイ5:7
覚えるみことば: マタイ5:7
参考にするみことば:マタイ12:19_20、ヘブル12:6
教育目標:善意より深い次元のあわれみの心になって、日常の中でも十分にあわれみを施せる聖徒になるようにする。
「あわれみ」の辞書の意味は「かわいそうに思う心。」です。ところが、神が言われるあわれみは「誰かが罪を犯したり、自分をつらくしたりするとき、心から赦して祈ってあげ、愛をもって勧める心」です。これは御霊の九つの実の中の「善意」の心と似ていますが、これよりさらに深い次元と言えます。善意は「悪が全くなくて、ただ善だけを追求する心」です。このような善意の心が行いとして現れるのですが、相手を変えさせられる、よりすぐれた愛として現れるのが「あわれみ」です。
1.限りない赦しのあわれみ
[マタイ12:20]に「いたんだ葦を折ることもなく、くすぶる燈心を消すこともない、」とあります。このみことばを通して、イエス様の善意の心が人々を変えさせていのちを与える、よりすぐれた愛として現れる「赦しのあわれみ」について調べてみましょう。
まず「いたんだ葦を折ることもない。」とは、いくら悪い人でも直ちに懲らしめるのではなく、何としてでも寛容を尽くして待たれるということを意味しています。人は自分に被害を与えたり、自分を苦しめたりする人がいれば、理解して赦すよりは、一緒になって憎んで争い、相手の過ちをあばこうとします。しかし、愛なる主は耐え忍んで待って、変えられるように機会を与えられました。
また「くすぶる燈心を消すこともない」とは、聖霊を受けた神の子どもたちが真理どおりに生きられないからとしても、直ちにその人を捨てられないという意味です。まだ完全ではないので罪を犯す人であっても、何としてでも聖霊の働きによって悟り、真理にあって変えられるように、最後まで耐え忍んで導かれる主のお心なのです。
イエス様はイスカリオテ・ユダが自分を売り渡すことをすでにご存じだったのに、他の弟子たちと同じように愛されて、他の人にご自分を売る人だと明らかにされませんでした。何としてでもイスカリオテ・ユダが心の中の欲を捨てて変えられることを待って、悟らせてくださったのです。
このような赦しのあわれみは神のお心でもあります。罪によって恐ろしい地獄に行くしかなかった私たちをあわれんで、ひとり子イエス様をなだめの供え物として遣わされ、すべての水と血を注ぎ出すまで私たちを愛されました。
それでも、どれほど多くの人がイエス・キリストを受け入れて神の子どもになったと言いながらも、再び罪を犯しているでしょうか。いくら神のお心を痛めるとしても、神は直ちに捨てられるのではなく、赦しのあわれみで「家出した放蕩息子」を待つ父の心で、子どもが悔い改めて帰って来ることを待ちに待ってくださいます。悔い改めて立ち返れば、東が西から遠く離れているように覚えておかず、赦してくださる方がまさに父なる神です。
それでは、皆さんは過ちを犯した人をどれほど心から赦したでしょうか? ひょっとしていまだに家族の中に、友だちの中に、周りに、赦せない人がいるのではありませんか?「他の人はみんな赦せるが、あの人だけは赦せない」と思わなかったでしょうか? 誰かに「もの足りない感情」と「恨み」を積んではおかなかったのか顧みますように。
2.愛を込めた懲らしめのあわれみ
「懲らしめ」は赦しと反対の言葉のようですが、そうではありません。神が望んでおられる懲らしめのあわれみは憎しみや罪に定めることではなく、愛をもってする懲らしめなので、相手が変えられるのに役立ちます。この懲らしめのあわれみも神のお姿と言えます。
[ヘブル12:6]に「主はその愛する者を懲らしめ、受け入れるすべての子に、むちを加えられるからである。」とあり、[ヘブル12:8]には「もしあなたがたが、だれでも受ける懲らしめを受けていないとすれば、私生子であって、ほんとうの子ではないのです。」とあります。神は私たちをとても愛しておられるので、懲らしめを通して立ち返るように機会を与えられるのです。
このような懲らしめがないなら、救われた後にも再び「世がいい」と闇に落ちることがあるからです。神は私たちが敵である悪魔のほうに行くのをただ見ておられるのではなく、懲らしめを通して立ち返るように恵みを下さるのです。
たとえば、子どもが過ちを犯したとき、子どもを正すからといって、初めから何が何でも叩きはしないでしょう。なぜその行動が悪いことなのか教えてやり、子どもが心から悔い改めるようにやんわりと言い聞かせます。
しかし、子どもが口先だけで悔い改めて罪を犯し続けるなら、親は心が痛くても、懲らしめのむちを上げるしかありません。愛する子どもがこれ以上ぐれないように、懲らしめてでも立ち返るようにするのです。
でも、同じ懲らしめといっても、愛がないなら、あわれみ深いと言えません。たとえば、隣の子が物を盗んだとき、その子が心から謝るなら、心の良い人はあわれみ深く赦します。しかし、悪い人は自分に損害を負わせたので憤り、子どもを責めたり、それどころか謝っても処罰を要求したりします。たとえ処罰はしないとしても、過ちを伝えたり、先入観を持って見ます。
このような懲らしめは憎しみから出て来るものなので、あわれみでないだけでなく、決して相手を変えさせることもできません。仮に相手が過ちを犯したとしても、その人の立場と将来を考えて、愛をもって懲らしめる時でこそ、懲らしめのあわれみになるのです。
聖書には、信仰の兄弟が罪を犯した場合、真理によって責めて懲らしめる過程について記されています(マタイ18:15_17)。信仰の兄弟が罪を犯したとき、周りの人に伝えるのではなく、まずは当事者に愛をもって責めて、立ち返るようにしなければなりません。もしそれを聞き入れなければ、その人が属している集まりの目上の人に言って、立ち返るようにしなければなりません。それでも聞き入れないなら、教会に告げて救われるようにし、教会の言うことさえ聞こうとしないなら、世の人のように扱いなさいとあります。
このように聖書のとおりにしますが、どんな罪だとしても、人をさばいて罪に定めては決していけません。愛とあわれみをもってしてこそ、私たちも神にあわれんでいただくことができるからです。
3.神が望んでおられる正しい施しのあわれみ
信仰の兄弟が貧しさで苦しんでいるのに、口先だけでもどかしがって、行いがないなら、あわれみ深いと言えません。まことの施しは、兄弟が困っているとき、自分の物を分かち合うことです。
[ヤコブ2:15_16]に「もし、兄弟また姉妹のだれかが、着る物がなく、また、毎日の食べ物にもこと欠いているようなときに、あなたがたのうちだれかが、その人たちに、『安心して行きなさい。暖かになり、十分に食べなさい』と言っても、もしからだに必要な物を与えないなら、何の役に立つでしょう。」とあります。
ある者は「心では本当にそうしたいけれど、私も持っている物がないのに、どうやって助けるんですか」と言います。しかし、いくら暮らし向きが苦しいからといって、子どもが飢えている時にじっといる親はいないでしょう。同じように、信仰の兄弟に対してわが子のように行わなければなりません。
かと言って、誰かが困っているからといって、どんな場合にも施しをしてはなりません。罪を犯したので懲らしめられて困っている人に施しをたり、怠けて遊んでいて、お金さえあればギャンブルをして酒を飲む人に施しをしたなら、罪を犯すように助けることなのです。神の御目にかなわない施しは、祝福がさえぎられる結果を招くことがあります。
この他にも、信仰の兄弟にだけでなく、世の人にもあわれみ深く対することができなければなりません。
4.あわれみ深い者に臨む祝福
それでは、あわれみ深い者にどんな祝福が臨むでしょうか? あわれみ深い人には[マタイ5:7]に「あわれみ深い者は幸いです。その人たちはあわれみを受けるから。」とあるように、あわれみを受けるようになります。
仮に自分をつらくさせて被害を与えた人であっても、赦してあわれみ深くするなら、自分が困難にあったり、知らないうちに相手に被害を与えたりしているとき、神はあわれんでくださって、赦される機会を与えてくださいます。また、貧しくて病気にかかっている人をあわれみ深く顧みるとき、神は富と健康の祝福を加えてくださいます。
私たちが他の人にあわれみ深い者になれば、神も私たちの過ちを赦して、乏しいことがないように満たしてくださり、弱いところを健康に変えてくださいます。これがまさにあわれみ深い者になったとき、神からあわれみを受ける祝福なのです。神が望んでおられる愛の心をもってすべての人にあわれみ深い者になる、幸いな聖徒になりますように。
* まとめと適用
1.「あわれみ」の霊的な意味を書いてください
______________________________________________________________
2.次の説明の中で間違っているものを選んでください。
①お金さえあればギャンブルをして酒を飲む人には施しをしてはいけない。
②真理にあってふさわしいか調べて施しをしなければならない。
③世の人々にはあわれみ深くしてはならない。
④愛なる神は私たちが罪を犯したとき、懲らしめを通して立ち返る機会を与えられる。
* 今週の課題
六つ目の幸いは「心のきよい者は幸いです。その人たちは神を見るから。」です(マタイ5:8)。霊的に「神を見る」とはどんなことでしょうか? 次回までに祈りながら考えてきましょう。
* 「用語」を知って力にしましょう!
「七度を七十倍するまでと言います。」(マタイ18:22)
ペテロがイエス様に「兄弟が私に対して罪を犯した場合、何度まで赦すべきでしょうか。」と尋ねたとき、イエス様がなさった答えである。これは単に四百九十度赦しなさいということではなく、無限大に赦しなさいという意味だ。「七」は完全数であって、七度を七十倍と言われたので、完全な赦し、すなわち、無限大の赦しを意味している。
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