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メッセージ >
聖書の学び
Title
第38課 「そよいではならない」
Speaker
堂会長 イ・ジェロク 牧師
Bible
Date
2009-09-18
読むみことば: 士師記9:7-15
覚えるみことば: 士師記8:23
参考になるみことば: 第一列王記22章
教育目標
どんな状況でも揺れ動かないで自分の持ち場を守り、与えられた使命をよく果たす人でこそ、義人になれることを悟る。
漢方の甘草は根に特別な甘みがあり、他の薬剤とは違って、とりわけ多く使われていますが、患者の症状によって禁じる場合があります。甘草の甘みが吐き気をもよおすように働くからです。人がよく使っているものの中にも、それが入れば良い結果が得られるけれど、間違って入れば、副作用や良くない結果を招くものもあります。
1. ギデオンの息子たちを殺して王になったアビメレク
<士師記9章>で、ギデオンの息子ヨタムがシェケムの者たちに向かって、オリ―ブの木といちじくの木とぶどうの木といばらのたとえをもって叫んだ理由は何でしょうか? その背景から調べてみましょう。
イスラエルの民がミデヤンの人に苦しめられると、民が神に叫びました。神はギデオンが三百人の勇士を率いて、ミデヤンの人々を退けるように働かれました。彼らが戦争で勝利すると、イスラエルの民は、ギデオンとその子孫がイスラエルを治めてください、とギデオンに言いました。しかし、ギデオンは「主があなたがたを治められます。」とその提案を断ります。
ところが、ギデオンが死ぬと、彼のそばめが産んだアビメレクが王になろうとする野心をもって、陰謀をたくらみます。自分の母の故郷であるシェケムで人々を懐柔して、ごろつきの、ずうずうしい者たちを雇って、ギデオンの七十人の息子を全部殺そうとしました。この時、ギデオンの末子ヨタムだけが生き残りました。結局アビメレクはシェケムの人々によって王となり、これが聞いたヨタムは我慢できなくなったのです。それで、シェケムの南にあるゲリジム山の頂上に立ち、シェケムの人々に声を張り上げて叫んで言います。
その内容は、木々が王を立てようとすると、オリ―ブの木といちじくの木とぶどうの木はみな王になることを遠慮して、決してそよがなかったということです。自分たちが現在していることが、王になることよりもっと大切だったからです。しかし、いばらだけは王となってくださいという要請にそよいで、「あなたがたの王とするなら、来て、私の陰に身を避けよ。そうでなければ、いばらから火が出て、レバノンの杉の木を焼き尽くそう。」と言ったのです。
ヨタムはこの寓話を通して、アビメレクが信頼できる指導者なのか、はたして彼を王としたことがまことと真心をもって行動したものなのかを聞いて、シェケムの人々を責めました。ギデオンと彼の息子たちは、オリ―ブの木やいちじくの木、ぶどうの木のように、王の座を欲しがらなかったのです。ところが、そばめの息子であるアビメレクは、いばらのように悪い方法で自分で王の座につきました。
結局、このことでアビメレクと彼に従った人々は神から報いを受けます。アビメレクを王に立てたシェケムの人々は、かえって彼の手によって滅ぼされ、アビメレクは女がやぐらの上から投げつけたひき臼の上石で頭蓋骨が砕かれ、死んでしまいました。
2. それぞれの持ち場で守らなければならないこと
人がそれぞれの持ち場で自分のすべきことを守るということは、まことに大切です。たとえば牧者なら、聖徒たちが神にもっと近づいて、罪と悪を捨てるように諭し、また、毎日、霊的に新しく生まれて、新しい被造物になって神を愛し、栄光を帰せるようにしなければなりません。また、天国を望んで生き、この地上で勝利できるように導くことも、牧者のすべきことです。そして、聖徒は牧者の言葉に聞き従って、正しくきよい人に変えられて、全家を通じて忠実な人になることが当然すべきことです。
聖書に出てくるイスラエルの王や預言者や律法学者、パリサイ人の使命は、人々を永遠のいのちに導くことでした。その中には、偽りを行なって民を神から遠ざけて、罪の中に落ちるようにして、国まで亡びるようにした人もいます。彼らが自分の持ち場を守らなかったのは、高ぶりとむさぼりと欲で心がいっぱいになっていたからです。
したがって、まことの牧者は神を正しく知るように聖徒に教えて、悔い改めてその心がきよくなるようにしなければなりません。正しくない王たちのように、王という職位をもって神を遠ざけて罪に落ちたり、むしろ王によって国が困難を経験して、民がみな苦しむという悲しいことが起こってはいけないのです。
このように、自分にゆだねられたすべてのことに最善を尽くすのは、まことに立派なことです。これを忘れて、自分の立場を忘れてそよぎ、揺れ動くなら、いろいろなことで混乱が起こって亡びやすいので、自分の持ち場を守るということがそれだけ大切なのです。
3. 揺れ動かない信仰生活
教会の中でも同じです。私たちのからだの中で、あるものは大切で、あるものはそうではないと言えないように、すべての部分がそれぞれの持ち場でそれなりに大切です。私たちは自分がキリストのからだなる教会の一部であることを悟って、互いに尊く思い、決して相手の心を痛めたり、憂いや苦しみを与えたり、憎んだり争ったりしてはいけません。それぞれの持ち場で使命をよく果たすとき、それがまことに神がご覧になって価値あるものであり、また、まことの愛だと言えます。神は、ご自分の子どもたちが自分の持ち場がまことに大切であることを悟って、互いに尊く思って、自負心を持って最善を尽くすことを願っておられます。「私が見るとあれが良さそうだから、私はあれをしよう」と言って、自分のすべきことをやめれば、それがどうして神の御前にふさわしいと言えるでしょうか。
先にたとえたオリーブの木は「私は神と人とをあがめるために使われる私の油を捨て置いて、木々の上にそよぐために出かけなければならないだろうか。」と王になることを断りました。いちじくの木も「私は、私の甘みと私の良い実を捨て置いて、木々の上にそよぐために出かけなければならないだろうか。」と言い、ぶどうの木も「私は、神と人とを喜ばせる私の新しいぶどう酒を捨て置いて、木々の上にそよぐために出かけなければならないだろうか。」と、王になることを断りました。しかし、いばらは王となってくださいという要請に、結局そよいでしまいました。
私たちはこのようなたとえから、自分の分と持ち場を知ること、自分を悟って自分を知るということ自体がどれほどすばらしいことなのか、よく悟らなければなりません。それを大切に思う時にはじめて、大きい事をなすことができます。
神のほうからはあらゆる分野が大切なので、それぞれがどのように自分の使命を果たしたかということが重要であり、それぞれ行なったわざに応じて報いてくださいます。したがって、そよいだいばらを神が喜ばれないことを悟って、どんな状況でも自分を守って、揺れ動いてはいけません。
4. その他、揺れ動いてはいけない分野
<ローマ12:3>を見ると、神がおのおのに分け与えてくださった信仰があることがわかります。大きい信仰もあって、小さい信仰もあるので、信仰の量りに応じて慎み深い考え方をしなければならないということです。したがって、信仰が成長するためには、強い嵐が吹いて、どんな試練や患難がやって来ても、決して揺れ動いてはいけません。また、揺れ動かない岩の上に立った信仰を持つまで、ただ前に向かって進まなければなりません。
祈りも同じです。イエス様はいつも喜んで、すべてのことに感謝し、絶えず祈られました。また、ひざまずいて、いつものように、苦しみもだえて切に祈られましたが、ご自分の願いではなく、みこころのとおりにしてくださいと祈られました。ですから、私たちも主にならって、信仰の岩の上に立つまで、揺れ動くことなく、いつも喜んで感謝し、絶えず祈らなければなりません。
また、私たちは愛することにおいても、揺れ動いてはいけません。神が私たちに与えてくださった愛を悟って、神を最後まで変わらないで愛し、その愛がさらに昇華されなければなりません。主を愛する心、神の聖殿を愛する心、牧者を愛する心、信仰の兄弟姉妹を大切にして愛する心、魂を愛する心、使命を愛する心に、少しも移り変わることがあってはなりません。
この他にも、忠実に仕えること、伝道することにおいても揺れ動いてはいけません。いつも生ける神を証しながら、いのちのみことばを伝えて、闇に属している人々を光の中に導く、尊く幸いな生き方にならなければなりません。このようにどんな状況でも決して揺れ動かないで、ただ神のみこころのとおり行なう幸いな聖徒になりますように。
* まとめと適用
1. 自分の持ち場を忘れて揺れ動き、自分の兄弟を殺して悪い方法で王になったアビメレクを、本文でヨタムは何にたとえているでしょうか?
2. 家庭で、職場で、教会で、今、自分に与えられている使命は何でしょうか? また、それぞれの持ち場で、自分がすべきことにはどんなものがあるでしょうか?
3. ひょっとして、自分の持ち場を守れなくて揺れ動き、分を越えて欲を出したりしたことはなかったかを顧みましょう。そして、どんな状況でも揺れ動かない人になるために、心を合わせて祈りましょう。
* 今週の課題
今日は罪と悪がはびこっている終わりの時と言えます。この時代にあって全き人になろうとするなら、聖書のどの人物が手本になるでしょうか? 次回までに探してきましょう。
* 「聖書の人物」を知って力にしましょう!
士師時代の「ギデオン」
イスラエルの五人目のさばきつかさであるギデオンは、マナセ部族ヨアシュの末息子である。ギデオンとは「刈る者」「切る者」という意味だが、後にバアルの祭壇を取りこわして、「バアルは自分で争えばよい」という意味の「エルバアル」という名を得る。彼は農場と果樹園を持っていた純粋な農夫であった。神に召されたところも打ち場だった。ギデオンは三万二千人の中から三百人を選んで、つぼとたいまつを使ってミデヤンの人を撃破し、四十年間イスラエルを治めた(士師記8:28)。
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