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メッセージ >
聖書の学び
Title
第2課「神の良きみこころ」
Speaker
堂会長 イ・ジェロク 牧師
Bible
Date
2014-09-05
読むみことば:ローマ12:2
覚えるみことば:ローマ12:2
参考にするみことば:ローマ7:21~23
教育目標:神のみこころは何か、すなわち、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知って、答えられて祝福される主人公になるようにする。
辞書で「善」とは「よいこと。道理にかなったこと。また、そのようなおこない。」と定義しています。人はこのような漠然とした基準に合わせて、この世を生きています。それで、自分が作っておいた善の基準、すなわち、今まで自分が積んだ知識や常識、理論などで作られた「良心」という枠に合わせて「良い」「良くない」と言います。
それでは、絶対的な善の基準は何でしょうか?
1.絶対的な善の基準とは?
[ローマ7:21]に「私は、善をしたいと願っているのですが、その私に悪が宿っているという原理を見いだすのです。」とあります。これはつまり、人の心の中に善をしたいと願う真理の属性があるかと思えば、不正と不法をしたいと願う真理に逆らう属性もあることを物語っています。
続く[ローマ7:22~23]には「すなわち、私は、内なる人としては、神の律法を喜んでいるのに、私のからだの中には異なった律法があって、それが私の心の律法に対して戦いをいどみ、私を、からだの中にある罪の律法のとりこにしているのを見いだすのです。」と、人の心を三つに分けています。
まず「内なる人」とは、神の律法を喜ぶ「真理の心」すなわち、白い心のことを言います。この中には神から教えられたいのちの知識が入っていて「善そのものの心」です。次に「心の律法」がありますが、これはすなわち、人々が言う「良心」です。これは自分の中にある本性に、新しく受け入れた真理と真理でないものを混ぜ合わせて作り出した心です。良心は真理と真理でないもの、すなわち、白い心と黒い心が混ざったもので、自分なりに真理についての新しい価値判断の基準になります。
ところで、良心はおのおのの育ってきた環境や条件によって非常に違うように形成されます。どんな親、どんな師を通して学んだかによって、大いに変わるのです。たとえば、子どもが外で遊んでいて、他の子どもに殴られて入ってきたとします。もしこの時、お母さんが「あらまあ、おばかさんね!なんであんたは殴られてばかりいるの!」と叱ったら、その子どもは「殴られたらばかなんだ。殴らなくちゃいけないんだな」と思って、悪い良心が作られるでしょう。
一方、親が神を愛して真理の中で生きていくなら、まず真理でよくわきまえさせてあげてから「痛いでしょう。でもあなたが我慢して赦してあげてね!」と言うでしょう。この子どもは「誰かが僕を殴るからといって、一緒になって殴るのは悪いことだ。いっそのこと僕が殴られて赦すことが神様が望んでおられる善だ!」と正しい良心を作っていくようになります。したがって、良心は人によって違うので、絶対的な善の基準になれません。
最後に、人の心には明白な真理でない心があります。すなわち、世から入ってきた真理でないものが人の心を占めて固まったのであって、明確に現れる真理でない心のことを言います。[ローマ7:23]にある「罪の律法」がまさにこの心に該当します。
ある人が相手に悪を抱いてひどい悪口を言ったり、殺人や盗みをしたりしたなら、これは悪い心ということは誰でもわかります。それでは、どんな基準に合わせてこそ、善と悪を正しく見分けられるでしょうか? ひとりひとり育ってきた環境や学んだことが違い、知識や教養が違うので、人によって善と悪、真理と真理でないものを判断する基準が違ってくるしかありません。同じ状況でも、見る人によって思うことが千差万別です。したがって、人によって違う相対的な基準ではなく、絶対的な基準が必要です。それがまさに神のことば、すなわち、聖書66巻です。
2.愛と公義に従って働かれる神
神は愛であって、すべての人が救われ、神に愛されて祝福されることを望んでおられます。人を差別して、誰は救って誰は捨てるとか、誰は祝福して誰は呪うというような方ではありません。ただ真理である神のことばによって公義に従って働かれます。
たとえば、救いの門は誰にでも開かれていますが、問題は福音を聞く人の側で信じるか、信じないかにかかっているのです。神に愛されることも同じです。[箴言8:17]に「わたしを愛する者を、わたしは愛する。わたしを熱心に捜す者は、わたしを見つける。」とあります。つまり、誰でも神を愛するほど、神に愛されるようになるのです。
私たちが信仰を持つようになって、神と愛を分かち合う段階に至るためには、必ず心から神を愛さなければなりません。口先だけで「神様、愛しています」と言うのではなく、心から神を愛して、それが行いと真実として現れるとき、まことに神を愛するという証拠になるのです。
神が祝福しようと決めておかれた枠の中に入ってくる人は、誰でも同じように祝福をいただきます。コルネリオはローマ軍の百人隊長だったのに、神が出会ってくださって、親族や親しい友人たちまで救われるように祝福してくださいました。選びの民でなく異邦人なのにこのような祝福をいただけたのは、彼が神を恐れて熱心に祈って、施しをして、善を行ったからです。これは、誰でも信仰によって救いの枠の中に入ってくれば、救われることができることを教えてくださっているのです。
3.答えと祝福の基準になる善
人は自分の良心によって善と悪を見分けますが、これは絶対的な基準になれないと言いました。それで、神は[ローマ12:2]で「この世と調子を合わせてはいけません。いや、むしろ、神のみこころは何か、すなわち、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変えなさい。」と言われているのです。
ここで「良いこと」とは、真理である神のことばを意味し、神の心とみ思いそのものを意味します。また、「神に受け入れられること」とは、神のことばをそのとおり信じる信仰を意味します。[ヘブル11:6]に「信仰がなくては、神に喜ばれることはできません。」とあります。次に「完全であること」とは、神のみこころを完全に従って、行いで現すことを言います。ですから、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知って、善をもって信仰によって行い、祝福を受けなければなりません。
[マルコ10:17~18]で、ある人がイエス様に「尊い先生。」と言ったとき、イエス様は「尊い方は、神おひとりのほかには、だれもありません。」と言われます。イエス様がこのように言われたのは、イエス様に尊くない姿があるからではなく、人類のすべて罪を負った罪人として十字架につけられなければならなかったからです。また、被造物である人のかたちで来たご自身を捨て、ただ生ける神だけがすべての善の基準であることを知らせてくださるためでした。
神に愛されて認められていたダビデ王が罪を犯すと、神は「どうしてあなたは【主】のことばをさげすみ、わたしの目の前に悪を行ったのか。」と責められました(第二サムエル12:9)。つまり、神のことばに聞き従わずに罪を犯したことは、神をさげすむことであることを教えてくださったのです。また「わたしの目の前に悪を行ったのか。」とは、神が善と悪を見分ける基準になることを教えてくださったのです。
立派なピアニストになろうとすれば、ピアノ教本だけを百回、千回読んで覚えるからといってなるのではありません。知っている理論を絶え間ない練習を通して完全に自分のものにしたとき、可能なのです。
同じように、私たちが真理でないものを捨てて聖められるためには、火のような祈りと善の行いがどうしても必要です。そうするとき、聖霊が助けてくださり、神に恵みを受けて強くされ、簡単に罪を捨てることができます。また、積極的に善を行うとき、すみやかに聖められることができます。憎しみを捨てようと思うとき、愛という積極的な行いで相手を抱けば、さらにすみやかに捨てられます。
このように、神の子どもたちは善そのものである神に似せられるために努めなければなりません。神は、私たちがみことばを通して決めておかれた善の基準と枠の中にどれほど入ったかによって、答えと祝福を下さいます。ですから、ただ心の一新によって自分を変え、神の良きみこころに従って行うことによって神に愛され、すべての祈りと求めに答えられますように。
* まとめと適用
1.[ローマ7:22~23]では、人の心を三つに分けてあります。当てはまる心を( )の中に入れてください。
( )とは、神の律法を喜ぶ「真理の心」、すなわち、白い心のことを言う。
( )とは、自分の中にある本性に、新しく受け入れた真理と真理でないものを混合して作り出した心のことを言う。これは「良心」と呼ばれる。
( )とは、明白な真理でない心である。
2. 次の( )の中に正しい言葉を入れてください
( )とは、真理である神のことばを意味し、神の心とみ思いそのものを意味する。
( )とは、神のことばをそのとおり信じる信仰を意味する。[ヘブル11:6]に「信仰がなくては、神に喜ばれることはできません。」とある。
( )とは、神のみこころに完全に従って、行いで現すことを言う。
* 今週の課題
聖書には、イエス様に香油を注いだ女性について四福音書に一箇所ずつ記されています。そのうちマグダラのマリヤは誰でしょうか?[マタイ26:6-13][マルコ14:3-9][ルカ7:36-38][ヨハネ12:1-8]を読んで考えてきましょう。
* 「用語」を知って力にしましょう!
「本性」と「良心」の違い
「本性」とは各人が持っている心の根本の性質を言う。つまり、心の地の土質と言える。「良心」とは各人が生まれてから持っていた本性に、その後新しく受け入れた真理と真理でないものを混合して作り出した価値判断の基準である。言いかえれば、本性を土台に作られた善と悪を見分ける基準と言える。
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